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蟹江町須成祭見物です。 [蟹江散策]

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国重要無形民俗文化財に指定されている須成祭「車楽(だんじり)船行事」の朝祭です。可動橋(跳ね橋)の御葭橋を通過していきました。水郷の住む蟹江町須成地区に伝わる約400年ほどの歴史を有するお祭です。夏の風物詩と云った感じですね。

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先週の土曜日の午後から宵祭が執り行われました。写真は巻藁船、一つ下流に架かる飾橋で提灯を飾り付けられ御葭橋に近付こうとしていました。 

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上流の天王橋までは、この橋を通過しないと辿り着けません。冒頭の写真で紹介したように、祭船を通過させるためだけに架けられたのが、この御葭橋です。ですから年に2日、今日の宵祭と明日の朝祭しか可動しない橋です。

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御葭橋が完全に跳ね上がって、いつでも通過できるような状態になりました。橋の上流では仕掛け花火なども行われ、一層祭り気分が出て来ています。暗くて良く解りませんが、巻藁船内では天王囃子が奏でられ、こちらまで響いて来ています。周辺は、とても優雅な雰囲気に包まれていました。

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今年の宵祭は、来賓の方の案内説明役を仰せつかったので宵祭の写真は僅かにこれだけとなってしまいました。もっともレンズのAF機能が壊れているので、ピンボケと手ぶれ気味の写真ばかりとなってしましました。ちょいと残念です。。

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巻藁船には多くの提灯が飾り付けられていますが、それぞれ暦に関する配置がされています。真柱の提灯は一年の月数、半球状の提灯は1年の日数、そして先頭の赤い「なべずる提灯」は一カ月の日数が飾り付けられています。 

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午後8時過ぎに下流の飾橋を出発、この御葭橋を午後9時くらいに通過、そして上流の天王橋には午後9時30分近くに到着し、宵祭の行事は終了しました。天王橋では「なべずる提灯」の中に餅を仕込んで、橋を取り巻く観衆に投げ入れます。これを拾って食べると「無病息災」など縁起が良いとの事なので凄い争奪戦が繰り広げられます。

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翌日の午前9時過ぎからは朝祭が執り行われます。真夜中に巻藁船から梅花と桜花で飾り付けられた車楽船に変わります。飾橋を出発したばかりで、船内では天王囃子が奏でられていました。

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車楽船はゆっくりですが祭囃子を奏でながら上流の御葭橋へと進んでいきます。

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祭船屋台には伊弉諾(イナザギ)尊・伊弉册(イナザミ)尊の人形が飾り付けられています。

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水郷も祭船に先んじて祭宿が置かれている区公民館前の御葭橋へと到着です。ここで公民館に設置されている桟敷席へと承諾をいただいて登ることにしました。

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宿の桟敷席に上がると間もなくして御葭橋が跳ね上がりだしましたよ。これからが須成朝祭の一番の見所となります。

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御葭橋が跳ね上がるのを待つように祭船は所定の場で待機します。囃子も前半部分がちょうど終わったところのようですね。

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橋が完全に跳ね上がったところで再び祭船が動きだし始めました。この地点から囃子は後半部分が奏でられています。暫くの間、祭船が御葭橋を通過するところをご覧ください。

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ここで約400年の伝統を誇る須成祭の説明をさせていただきます。地元の言い伝えによれば、約400年前に地方(じかた)の若者が芋の葉をかぶって、深夜須成から海を渡り、津島神社の御神葭様をお迎えしたことに始まるとされていますが、その起源については定かではありません。

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中世以降、冨吉荘総鎮守の冨吉建速神社(冨吉牛頭天王社)・八剱社<以下「須成神社」と略称します>の祭礼として執り行われてきました。織田信長や豊臣秀吉、歴代の尾張藩主も尊崇し、保護してきたようです。江戸時代の文献や名所図会などにも須成祭の様子が掲載され、以来祭典は年中行事として年々執行されてきた由緒が古く、長い伝統をもつ祭事です。

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水郷地帯にふさわしく、葭刈、船からみ、宵祭、朝祭、神葭流しなど一連の祭事は、病気退散を祈願する天王信仰に由来する祭で、華やかな川祭りの「車楽船行事」と1年の穢れを植物の葭に託して川に流す「神葭流し」の二つの行事を中心として構成される祭です。祭の諸行事は朝祭の期日を基準として、その前後に日程が決められるとのことです。

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祭は7月上旬の「稚児定め」から始まり、10月下旬の「棚下ろし」までの約100日間に亘る間に、いろんな祭事が執り行われることから別名「須成100日祭」とも云われています。現在、この一連の諸行事は、「須成祭の車楽船行事と神葭流し」として国重要無形民俗文化財に指定されています。

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なお、須成祭は近隣の津島市「尾張津島天王祭」や犬山市「犬山祭」を始め、文化庁がユネスコに推薦した日本を代表する「山、鉾、屋台行事」33件の一つとして無形文化遺産登録に提案中の由緒ある夏祭りです。来年の秋くらいには登録されるようですね。楽しみなところです。

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長々と祭の歴史などを説明を行っている間に車楽船が御葭橋を通過していきました。船内からは優雅な祭囃子が桟敷席にも伝わってきています。

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宿の桟敷と同じ高さくらいにある伊弉諾・伊弉册同尊像も水郷の目の前を通過していきます。

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車楽船の2階舞台の様子です。左側から一稚児・二稚児が並び、その両脇には一なす・二なす・小太鼓・大太鼓・笛吹・親族など祭衆の諸役が座っていました。その下の浴衣姿の方々は、稚児などの親戚&世話役衆です。

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祭囃子を奏でながら、ゆったりと進む船の姿は優雅ですね。この朝祭が本祭、昨夜の宵祭は余興行事で、別名「試楽」とも云われています。なお、屋形屋根部分に座っているのは山乗衆だと思ったのですが、紋付袴姿ではないので、どうやら世話役の方々のようです。山乗衆はきっと暑いので屋台の日陰部分に控えているのかもしれませんね。

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祭船が宿前を通過したので、水郷もそれを追うように堤防沿いを歩くことにしました。この位置から車楽船を写真撮影してみました。後方に見える御葭橋は、既に元の姿に戻っていましたよ。

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神社横にある天王橋です。多くの観衆が見物がてら祭船を迎えていました。これにはある理由があるのですが、後述します。祭船は天王橋前まで辿り着くと、やがて少し後退し、堤防の犬走「こいど」に接岸しました。そして祭諸役が上陸します。

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写真のような行列で稚児を始めとする祭諸役が天王橋を通過していきました。両脇の観衆からは大きな拍手で迎えれられています。

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稚児行列は、やがて神社境内の参道に入ってきました。写真のように稚児は親御さんの肩に担がれています。稚児は神の使いなので地に足を下ろすことは厳禁なため、このような姿となるとのことです。先頭の桜花の冠をしているのが一稚児、その後に梅花の冠をかぶった二稚児が続いて行きます。

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二稚児通過後、一なす、二なすの稚児、そして小太鼓、大太鼓が続いていきました。

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この稚児行列には必ず「神子太鼓」が奏上されます。ゆったりとした太鼓ですが、曲打ちの特徴もあって力強さを感じる太鼓です。小学生から大人までが地域の伝統を受け継ぐことを目的に結成された「須成鼓笛保存会」の皆さんにより太鼓が披露されていました。

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やがて行列の諸役皆さんは神社拝殿内に入り、祭文殿に座った祭三役(須成区長・神社敬神会長・鼓笛保存会長)の前で天王囃子を一曲奏上します。

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その間にも天王橋近くは写真のように観衆でごった返していましたよ。これには先程も言ったように訳があるのです。その行事が間もなく開始されようとしていました。

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船上に残った山乗衆によって「投げ花」の行事は始まりました。これは船を飾る桜花と梅花の枝を折って観衆に投げ与えるものです。

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飾り花は、夏病みや雷除け、良縁に恵まれるなどと云われる縁起物で、観衆は競って奪い合い、家に持ち帰って床の間などに1年供え置くようですね。そんな縁起物、年々評判になってこれを欲しいという方が多くなり、今ではなかなか船の近くまで近寄ることが出来なくなってしまいましたよ。

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投げ花行事が済み、やがて祭船には神社から戻った稚児や諸役一行が再び乗船し、御葭橋北の「こいど」まで船が帰ったところで下船します。

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こうして午前11時頃に朝祭、須成祭の「車楽船行事」は全て祭事を終了しました。神社前周辺には飾り花を持った方々がみえました。お聞きしたところ名古屋市の東区からお越しになった一行様でした。年々、朝祭を見物される方が遠くからお越しになっているようですね。

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さて、雅やかな「車楽船行事」は朝祭で終了しましたが、本日早朝、午前6時前に再び須成神社へと出かけました。境内には人影も見えずひっそりとした感じですが、この暑さで既に蝉時雨状態でした。今朝は「神葭流し」が執り行われます。午前5時から神事は始まりますから、ちょいと出遅れてしまいましたよ。葭刈、葭揃えを通して宵祭・朝祭期間中に御神体とされ須成神社祭文殿前に供えられていた神葭様は既に蟹江川に運ばれていました。ここからは小舟に乗った若者「葭刈衆」によって行事が進められて行きます。

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小舟には葭刈衆3名と船頭2名が乗船、そして4本の笹竹が乗せられていました。堤防を出航し、その後に十文字に繋がれた神葭が浮かんで付いていきます。

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小舟は堤防東側を出航、天王橋前を横切って西岸を廻るように漕いでいきます。その後を紐に繋がれた神葭が通過していきました。

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神葭を撮影、葭束が十文字に組まれ、その上に御幣(幣束)を差しています。

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かつては真夜中の午前2時頃に執り行われ、このまま蟹江川に放流され葭束が流れ着いた地域が疫病退散を祈願して厳粛に祀ってきたようです。

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現在は流されることは無く、地元の須成神社境内横に笹竹を立て、その中に安置してお供えするとのことです。

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暫く作業が行われ、写真のように蟹江川の中に立てた笹竹の間に納め置かれました。

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午前7時前に行事は終了しました。神葭は、この7日後に「棚上り」と云う行事によって引き上げられ、神社境内に設けられた棚に遷されます。棚前には灯明や供え物を上げて祀り、それ以後「神葭様詣り」といって70日間須成地域の人達が班単位に期間を割り振って毎日参拝します。70日後の10月下旬には「棚下し」が行われて神葭様を棚から下ろして境内で燃やして、約100日間、長きに亘った須成祭の行事は全て終了します。須成祭を構成する「神葭流し行事」は、雅やかな「車楽船行事」とは異なり、素朴で質素な行事ですが、とても魅力的な行事だと思っています。神葭流しに関する行事、こちらも全て国の重要無形民俗文化財の指定を受けています。やはり地元の伝統的なお祭見物は良いものですね。また来年もゆったりと一連の行事を見物したいものです。

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水郷楽人の塵芥録HP版(クリックするとHPにジャンプします) 

こちらは水郷楽人の塵芥録HP版です。水郷の地元、蟹江町須成地区の約100日間に及ぶ一連の祭事は、2012年3月「須成祭の車楽船行事と神葭流し」として国重要無形民俗文化財に指定されました。現在須成祭は、文化庁がユネスコに推薦した日本文化を代表する「山・鉾・屋台行事」33件の一つとして無形文化遺産登録に提案中の由緒ある夏祭です。HP版では須成祭の様子も紹介しています。よろしければご覧くださいね。。


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rappi

夜の景色は雰囲気ありますね。^^
昼の船が進む様子も優雅です。^^
by rappi (2015-08-03 21:24) 

JUNKO

初めてみました。川をゆっくり進む車楽船というのですか、花飾りも素敵ですね。ていねいに沢山見せていただきとても楽しかったです。こういう伝統的な由緒あるお祭りが日本にはたくさんあるのですね。素晴らしいことです。
by JUNKO (2015-08-03 22:24) 

Baldhead1010

厳かなお祭りですね。

暑い時のお祭りはやる人見る人大変です。
by Baldhead1010 (2015-08-04 04:24) 

takenoko

伝統のあるお祭りで素晴らしいです。準備に100日もかかるとは大変ですね。
by takenoko (2015-08-04 07:05) 

水郷楽人

おはようございます。今朝も蝉時雨、暑くなりそうです。夏の風物詩と云われる須成祭を3日間見物に出かけました。車楽船の優雅さと神葭流しの素朴さは対照的な感じでした。地元に残された伝統文化、大事に継承していきたいですね。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2015-08-04 07:29) 

yakko

こんにちは。
素晴らしいお祭りですね !
by yakko (2015-08-04 16:49) 

mimimomo

おはようございます^^
なかなか凝った(?)お祭りですね。
準備される方は大変な苦労でしょう。
by mimimomo (2015-08-05 05:59) 

水郷楽人

おはようございます。猛烈に暑い日が続いています。もう菜園には出掛けられない状態です。地元のお祭「須成祭」を見物してきました。約400年の伝統を誇るお祭、川祭りで少し涼しく感じましたよ。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2015-08-05 06:32) 

hatumi30331

わ〜〜〜〜〜〜〜!
すごい!!
楽しそうなお祭りですね。^^
暑いけど・・・水辺は、見てるだけでちょっとほっとするね。^^
by hatumi30331 (2015-08-05 07:22) 

旅爺さん

本当に蟹江町はお祭りが多いので昼も夜も楽しめますね。
でも季節がら暑かったでしょうね。
by 旅爺さん (2015-08-06 07:17) 

水郷楽人

皆様 こんばんは。毎日が暑いですね。菜園はこの暑さのため、ほぼ放置状態となっております。涼しさを求めて夏祭見物三昧です。とても優雅な川祭り、地元須成地区の伝統行事です。優雅さで少し涼しさを感じましたが、やはり暑いですね。皆様も熱中症に気を付けてください。
nice!&コメントをいただきまして有難うございます。
by 水郷楽人 (2015-08-06 17:51) 

ヨッシーパパ

跳ね橋が上がって、そこを祭りの船が通過する場面が醍醐味ですね。
良いアングルからも撮る事が出来て、最高の気分ですね。
by ヨッシーパパ (2015-08-06 18:41) 

tarou

こんばんは、はらほげ地蔵にコメントをありがとうございます。

立派な橋が有りますね、
お祭りのために作られたのですか?
夜にお祭りを見て見たいです(^◇^)
by tarou (2015-08-06 23:35) 

水郷楽人

おはようございます。地元の須成祭を見物してきました。優雅な川祭りの宵祭・朝祭、とても質素で素朴な神葭流し、まったく対照的な行事でした。見物がてら長い歴史も味わいました。良いものですね。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2015-08-07 06:05) 

ポートス

楽しそうなお祭りですね。
暑い夏にはこういった水のあるお祭りは嬉しいですね。
立派な橋に、可愛い車楽船、一度乗ってみたいですね。
by ポートス (2015-08-07 11:15) 

せつこ

あの橋はお祭りの船の通すときだけ開けられるのでしょうか?
立派な神事ですね。
by せつこ (2015-08-07 11:47) 

テリー

400年続いているお祭りって、すごいですね。
by テリー (2015-08-07 19:04) 

ひろたん

鯖江は良い所ですね^^
高速道路で鯖江を通ってきました。
蕎麦が美味しかったです。
by ひろたん (2015-08-08 13:56) 

水郷楽人

皆様 こんにちは。暑い時には川祭りが涼しく感じますね。それでも暑いですが。。(^^;。。地元蟹江町須成地区に伝わるお祭を見物してきました。久々に神葭流しも見物です。優雅さと質素、両対照の祭事が、また印象的でした。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2015-08-08 17:22) 

侘び助

津島祭りと混同してしまって・・・
一度須成祭り見たいと思っています。
by 侘び助 (2015-08-08 21:14) 

水郷楽人

津島祭に一週間遅れて開催されるので、是非来年はお越しくださいね。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2015-08-12 18:29) 

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